マーケティング自動化
文責:石川陽一
"マーケティング自動化"はなぜ重要か
見込み顧客の獲得から、関係性の構築、ナーチャリング、見込み度合いの高い顧客に対してのリテンション、顧客の再訪の促進などのようにマーケティング活動にはさまざまな工程があります。
その一部をデータとシステムを用いて自動化することで、人にしかできない戦略的な事柄に集中できます。
マーケティング手法は多様化している
私たちの生活にスマホやPC、高速なインターネットが浸透する以前のマス マーケティングでは「4マス媒体」といった定義がありました。4マス媒体とは、
- テレビ
- ラジオ
- 新聞
- 雑誌
です。これらの媒体にどのような費用で、どういった広告出稿をするか、その影響はといったマスを対象にした考え方で、個人への効果等をきめ細かく確認することはできませんでした。
現代主流となるデジタルマーケティングは個人が保有するスマホ、PCにダイレクトに届き、その手法もさまざまです。2023年現在、よく聞くマーケティング手法の代表的なものを上げてみると以下のようなものがあります。
- ソーシャルメディア マーケティング
- SEO(検索エンジン最適化)
- ABM(アカウント ベースド マーケティング)
- コンテンツ マーケティング
- アフィリエイト
- メール マーケティング
手法の定義や分類は精緻なものはなく、時代とともに生まれるくるもの、薄れていくものもあります。
大量データを効率的にMA運用で回す必要あり
多用化したマーケティング施策が個人に到達した場合、その個人の居住地、年代、性別などの基本的なデモグラフィック情報にアクセスできます。さらに自社や外部、その個人の方のデバイスや利用場所など、大量・多種のデータがあります。これらのデータを取得し分析する、そしてそのデータを確認した上で個々人にあったマーケティングを行う、といったことができれば見込み客から新規顧客へ、顧客からリピーターへといったナーチャリング(顧客育成)ができるという期待できるわけですね。
ただ、これらのデータは自社サイトへのアクセス情報、SNS等の顧客の行動、外部の情報等大量にあります。なんらかのツールを使えないか、そして一つひとつ手動でやるのではなく、自動化しながらできないか、と考えその基盤を作っていくことが肝心です。そこで必要になるのがマーケティング自動化 = MA(マーケティングオートメーション)の考え方です。
全自動でシステムが全て対応してくれるわけではない
顧客の個々の状態に合わせてマーケティングを行い育成していくとなるとデジタルの力を使った自動化によりタイミングよくアクションをとっていく必要があります。MA担当者はデータやツールを見ながらマーケティング施策を変えていくといった運用が肝要です。一例をあげると以下のようなものです。
- DMP(データ マネジメント プラットフォーム)でデータやマーケティング状況をモニタリング
- 自動化されて行ったマーケティング施策の効果はどうか
- マーケティング施策にチューニングの余地はないか
- 複数のマーケティング施策を複数対象に施し効果がある施策はどれかといったA/Bテストを実施する
内製化したシステムにMAに関する機能を組み込んだり、自動化したりといった対応も必要であり、マーケティングとエンジニアリングの両面の観点でどのような体制を作っていくか、検討し構築していくことが大事です。