ふりかえり習慣
"ふりかえり習慣"はなぜ重要か
ふりかえりは、チーム活動全体のプロダクト以外のこと(組織、プロセス、カルチャー、環境、ツール、ルールなど)全般に対する公式な検査と適応の機会です。最も基礎的で最も重要な習慣です。
しかし議論が発散したり、マンネリ化を招いてしまったりすることもあり、最悪の場合ふりかえり自体をやめてしまうチームも存在します。その場合、組織、プロセス、カルチャー、環境、ツール、ルールなどの非常に広範囲のチーム活動が改善できなくなってしまいます。
そうならないためには、ふりかえり自体の質を上げることが重要です。
公式な場を設定する
チーム全員が確実に参加できる、タイムボックスとタイムボックスの間の時間、会議室、環境などを確実に手配し、全員に周知することがまず第一ステップです。
重要な会議ですので、チーム全員必須参加とし、しっかりと議論ができる環境を整える必要があります。
ふりかえり会議を計画する
また、無計画なふりかえりもマンネリ化を引き起こす原因の一つです。
前回ちょっとマンネリしてしまったならふりかえり自体を改善し、どのようにふりかえりを進めるのかを計画し直す必要があります。
ファシリテーターを設定する
議論を円滑に効率よく進めるためには、適切なファシリテーターが必要です。また、ふりかえりはチームの問題を深堀りすることが多々あるため、個人を起因とする問題を扱うときもあります。そのため、ファシリテーターはチームの関係性にヒビが入らないように、慎重にファシリテートする必要があります。例えばふりかえりの場のみに適応される言葉遣いのルールを設定したり、発言プロセスを定義したりなどがあります。
事実に基づくデータを収集する
事実に基づくデータとは例えば、タイムボックス内で起こった出来事やタスクボード、完了したタスクやストーリー、できなかったタスクやストーリー、それぞれのメンバーの感情、使っているツール、発生したバグの数と内容、そしてこれらの時系列データなどがあります。
これらのデータを検査することにより、より事実に基づいた正確なふりかえりを実施することができます。
問題と解決方法について議論する
何をやるべきかを管理する
“ふりかえり”で発見されたチーム活動を改善するためのネクストアクション、気をつけるべき習慣などを常に目が入るところに可視化し、ふりかえり結果を放置しないように注意する必要があります。
例えば、TODOやタスクは次の計画会議に持ち込んで実行計画を立てると、放置されたままになりづらいです。完了したという状態が分かりづらい習慣やマインドセットのようなアウトプットは避けられるなら避けると良いですが、常に目に入るところに置いたり、読み上げることを習慣化することなどで、チームに浸透させていくことも可能です。
ふりかえり習慣のクライテリア
参考資料
- アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き(Esther Derby (著), Diana Larsen (著), 角 征典 (翻訳))