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リモートワーク

文責: 長田唯世 見直し修正 石川陽一

なぜ”リモートワーク”は重要か

エンジニア等開発に携わる人にとって必要かつ十分なアウトプットを行うために、必要なものはなんでしょうか? 睡眠不足、寒いオフィス、突然の会議、通勤によるストレスなど、世の中には働き手のパフォーマンスを妨げるものがたくさんあります。それらが妨げているもの、それは「集中」です。その「集中」を安定的に保つためには、自分自身にとって「快適な状態」を維持することが重要です。
リモートワークは、その「快適な状態」を確保するための有力な手段です。自宅での自由な作業環境、柔軟なスケジュール管理、通勤時間の削減など、リモートワークは働き手にとって多くの利点を提供します。
2020年から数年に渡ったコロナ禍における感染拡大防止措置の際や、オフィスから遠隔地の方の勤務の方法としてもリモートワークは注目されています。

”リモートワーク”とはそもそも何か

リモートワークとは、自宅、シェアオフィス、カフェ、自然の中など、会社が許可した範囲内でエンジニア自らが選ぶ場所で仕事をする働き方です。これは通常のオフィスワークとは対照的に、物理的な場所に拘束されず、仕事をこなすことが可能となります。望まない干渉を受けずに自由に働けるだけでなく、必要なリソース提供を受ける自由も保証されています。
この働き方は特定のツールやテクノロジーに依存します。Zoom・Teams・Meetsのようなオンラインミーティングツール、Slackなどのチャットツール、クラウドベースのドキュメントサービスなどのコミュニケーションとコラボレーションのためのツールが一般的に使用されます。
リモートワークはフルタイム、パートタイム、フリーランスなど、多様な形態があります。すなわち、自由に働く場所を選ぶ自由、望まない干渉を受けない自由、そして必要なリソース提供を受ける自由が保証されているのが、リモートワークの定義と言えます。

”リモートワーク”を代表するプラクティスの解説

適切なリモートワークの設備と支援

リモートワークの成功には、高速のインターネット接続や適切なデスク、椅子など、効率的な働き方を可能にする適切な設備が必要不可欠です。一部の企業では、これらの設備を提供または補助するための制度が設けられています。これにより、リモートワークを行う全てのメンバーが、オフィス内で働いているのと同等の生産性を持つことが可能となります。

効果的なリモートコミュニケーションのためのガイドライン

リモートワークでは、コミュニケーション方法が大きく変わります。そのため、企業は効果的なオンライン会議の実施方法や非同期コミュニケーションのためのガイドラインを提供し、そのガイドラインを定期的に見直すことが重要です。これにより、リモートワーク中の全員が同じルールと期待値を持ち、コミュニケーションの摩擦を減らすことが可能となります。

非公式なコミュニケーションの機会の確保

リモートワークでは、非公式なコミュニケーションの機会が自然に生まれにくくなります。しかし、チームの結束力を高めるためには、仕事以外の会話や雑談の機会を確保することが重要です。そのため、業務時間中にチームメンバーとの雑談の機会を積極的に作る工夫が求められます。これには、バーチャルコーヒーブレイクや雑談チャットルームなどの活用が考えられます。

”リモートワーク”はどのようにして測定するか

リモートワークにおける情報のアクセシビリティと業務完結能力を見ていきます。
測定においては、リモート環境から業務を完結できる能力を評価します。具体的には、目標設定、予定の立て方、業務に必要な情報の取得など、全ての業務要素のうち少なくとも95%がリモート環境からアクセス可能であることを確認します。
これにより、リモートワークが一時的な対応策ではなく、常用可能な働き方として機能しているかを判断します。リモートワークは働き方の選択肢の1つであり、これにより仕事を完結できる体制が整っていることが、成功の鍵となります。
具体的な指標としては、社内文書へのアクセス率、オンラインでの会議出席率、リモート環境での業務遂行率(タスクの完了数など)などが考えられます。これらのデータを収集・分析することで、リモートワークの効率性と生産性を具体的に把握することが可能です。

”リモートワーク”で陥りがちなアンチパターンとはどういう状況か

アンチパターンとしてのリモートワークの状況について説明しましょう。
まず、アウトプットではなくPCの起動時間などで業務を監視している状況です。リモートワークにおいては業務の成果やアウトプットが最も重要であり、パソコンの起動時間やログイン時間といったパラメータで業務を評価するのは効率的ではありません。これは、リモートワークの本質的な利点を無視したマネジメントスタイルであり、エンジニアの生産性を低下させる可能性があります。
次に、リモートワーカーとオフィスワーカーの間で情報に格差が生じている状況です。リモートワークを成功させるには、情報の透明性とアクセシビリティが必要です。全てのエンジニアが必要な情報に簡単にアクセスできる環境を整備することで、リモートワーカーとオフィスワーカーの間に情報の格差が生じるのを防ぐことができます。
最後に、オンラインのマネジメントに積極的に適応できずに、オフラインに固執するマネージャーが存在する状況です。オンラインとオフラインではコミュニケーションの形式が大きく異なりますが、オンラインの環境で効果的なマネジメントを行うためには新たなアプローチやツールの利用が必要です。オフラインでのコミュニケーションスタイルに固執するマネージャーは、リモートワークの有効性を低下させ、チームの生産性を阻害する可能性があります。
これらのアンチパターンは、リモートワークの効果を最大化するために避けるべき状況です。リモートワークは自由と効率性を提供する一方で、それをサポートする新たなマネジメントスタイルや工夫が求められます。その課題を理解し、適切に対応することが、リモートワークの成功につながります。

”リモートワーク”のクライテリア: