DESIGN-5 · カテゴリ解説

デザイン組織

この記事の内容8
  1. デザイン組織はなぜ重要か?
  2. デザイン業務の内製化と専任配置
  3. デザイン組織のリーダーシップと育成体制
  4. カテゴリ内クライテリアの解説
  5. 参考資料・ツール
  6. 関連するフレームワーク
  7. 推奨ツール
  8. デザイン組織のクライテリア

デザイン組織はなぜ重要か?

簡単に言うと、デザイン組織の構築は「レストランに専任シェフを置く」ようなものです。レストランを経営する際、外部のケータリング業者に料理を頼むこともできますが、それでは店の個性や一貫した味を作り出すことは困難です。専任のシェフがいれば、日々顧客の反応を見ながらメニューを改善し、季節や流行に応じて新しい料理を開発し、店全体のクオリティをコントロールできます。デザイン組織も同じで、外部のデザイン会社に依存するのではなく、社内に専任のデザイナーを配置することで、プロダクトに対する深い理解と継続的な改善が可能になります。デザイナーが事業の一部として溶け込み、エンジニアやプロダクトマネージャーと日常的に協働することで、本当に価値のあるデザインが生まれます。

もう少し正確に言うと、デザイン組織はプロダクトやサービスの顧客体験を戦略的に設計し、継続的に改善する専門組織です。デザイナーは開発者と同じように希少な人材であり、プロジェクトやサービスの専任ではなく兼務や時間的・心情的なコミットメントが制約されやすい職種です。しかし、一部の工程だけではなく、全体の工程に溶け合いながら関わることで相互理解が生まれ、デザインの専門性を事業に反映しやすくなります。優れたデザイン組織には、明確なリーダーシップ、採用・育成戦略、キャリアパス、他部門との連携プロセスが確立されており、デザインの価値を経営レベルで理解し推進する体制が整っています。また、サービスデザイナー、UI/UXデザイナー、グラフィックデザイナーなど、異なる専門性を持つデザイナーの役割を明確化し、適材適所に配置することで、組織全体のデザイン力を最大化できます。

具体的には、Airbnbは創業者の一人であるJoe Gebbiaがデザイナーであり、デザインを経営の中核に据えています。彼らは「デザインドリブン」な文化を構築し、すべての重要な意思決定にデザイナーが関与する体制を確立しています。Appleも、Jony IveがSVP of Designとして長年経営に深く関与し(2015年からはCDOに就任)、デザインの戦略的重要性を体現してきました。国内では、メルカリがデザイン組織に大きな投資をしており、複数のデザインマネージャーを配置し、デザイナーのキャリアパスと育成プログラムを整備しています。SmartHRも、デザイン組織のリーダーがプロダクト戦略に深く関与し、デザイナーの採用・育成を自ら推進しています。これらの企業は、デザインを単なる「見た目を整える作業」ではなく、事業の成否を左右する戦略的な投資領域として位置づけています。

デザイン業務の内製化と専任配置

デザイン組織の成功の第一歩は、事業に必要なデザイン業務の過半数を内製化することです。外部のデザイン会社に依存すると、コミュニケーションコストが高く、プロダクトへの深い理解が育ちにくくなります。

まず、自社のデザイン業務の全体像を把握します。UI/UXデザイン、ビジュアルデザイン、プロトタイピング、ユーザーリサーチ、情報設計、デザインシステム構築など、どのような業務が存在するかをリストアップし、それぞれの業務において内製と外注の比率を測定します。過半数が内製化されている状態を目標とし、特にプロダクトの核となるUI/UXデザインは優先的に内製化します。内製化の初期段階では、経験豊富な外部デザイナーをアドバイザーとして招き、社内デザイナーの育成を支援してもらうことも効果的です。

次に、デザイナーを可能な限り特定のプロダクトやチームに専任で配置します。少なくとも半年から1年の期間、同じプロダクトに関わることで、ユーザーへの深い共感、事業価値の理解、チームとの信頼関係が育ちます。デザイナーがプロジェクトを横断して派遣され、兼務が多くなったり関わる期間が短くなると、各プロダクトにおけるユーザーへの共感や事業価値の理解が弱くなってしまいます。小規模な組織でデザイナーの数が限られている場合でも、兼務する場合は2つまでとし、それぞれに十分な時間を確保します。プロジェクトベースでデザイナーをアサインする場合でも、最低限の継続期間を設定し、「デザインして終わり」ではなく、リリース後の効果測定や改善まで関与させることが重要です。

デザイナーの配置パターン
デザイナーの配置パターン

デザイン組織のリーダーシップと育成体制

デザイン組織の戦略的な成長には、明確なリーダーシップと人材育成の仕組みが不可欠です。デザイナーは開発者と同じように希少な人材であり、適切な採用・育成戦略がなければ、組織は成長できません。

デザイン組織のリーダー(Head of Design、Design Director、VP of Designなど)には、採用計画の立案、採用プロセスの設計、最終面接の意思決定、育成プログラムの構築、評価制度の設計などの権限を付与します。リーダーは、事業計画に基づいて「今後1年間で何人のデザイナーが必要か」「どのような専門性のデザイナーを採用すべきか」を計画し、経営層に提案します。また、採用基準、面接プロセス、オンボーディングプログラムを設計し、デザイン組織の文化と価値観を反映させます。育成面では、1on1ミーティング、デザインレビュー会議、社内勉強会、外部カンファレンス参加支援などを通じて、デザイナーのスキル向上とキャリア成長を支援します。

さらに、全社のクリエイティブや顧客体験デザインを担う専門知識を持った経営幹部が必要です。CDO(Chief Design Officer)またはVP of Designといったポジションを経営幹部レベルに設置し、事業戦略、マーケティング戦略、プロダクト戦略にデザインの視点を組み込む役割を担います。経営会議に参加し、新規事業の検討、既存事業の改善、ブランド戦略の策定など、重要な意思決定にデザインの観点から貢献します。また、全社的なデザイン文化の醸成、デザインシステムのガバナンス、顧客体験戦略の統括を担います。特に、複数のプロダクトラインを持つ企業では、プロダクト間でのデザイン一貫性を保つために、全社的なデザインリーダーシップが不可欠です。

デザイン組織の成熟度
デザイン組織の成熟度

カテゴリ内クライテリアの解説

DESIGN-5-1メトリクスの計測Measurement of metrics

事業に必要なデザイン業務の過半数を内製化できているか。Can the team handle more than half of the design work necessary for the business in-house?

目的: デザイン業務の内製化により、迅速な意思決定と継続的な改善が可能になります。外部のデザイン会社に依存すると、コミュニケーションコストが高く、プロダクトへの深い理解が育ちにくくなります。

実装のポイント: まず、自社のデザイン業務の全体像を把握します。UI/UXデザイン、ビジュアルデザイン、プロトタイピング、ユーザーリサーチ、情報設計、デザインシステム構築など、どのような業務が存在するかをリストアップします。次に、それぞれの業務において、内製と外注の比率を測定します。過半数が内製化されている状態を目標とし、特にプロダクトの核となるUI/UXデザインは優先的に内製化します。外部デザイナーを活用する場合でも、短期的なプロジェクトベースではなく、長期的なパートナーシップを構築し、プロダクトへの理解を深めてもらうことが重要です。また、内製化の初期段階では、経験豊富な外部デザイナーをアドバイザーとして招き、社内デザイナーの育成を支援してもらうことも効果的です。

注意点: 内製化を急ぎすぎて、経験の浅いデザイナーだけで構成された組織になると、品質が低下します。シニアレベルのデザイナーを採用またはアドバイザーとして確保し、組織全体のデザイン力を底上げすることが重要です。また、すべてのデザイン業務を内製化する必要はありません。専門性の高い分野(モーションデザイン、3Dグラフィックスなど)や一時的なキャンペーンビジュアルは、外部の専門家に依頼することも合理的です。

DESIGN-5-2学習と改善Learning and improvement

デザイン組織のリーダーは、自社戦略に必要なデザイナーの人事戦略を自ら立案しており、採用・育成についての権限と責任を負っているか。The leaders of the design organization plan their human resource strategy for designers necessary for their company's strategy, and they have the authority and responsibility for hiring and training them.

目的: デザイン組織の戦略的な成長には、リーダーの明確な権限と責任が不可欠です。人事部門や経営層に依存するのではなく、デザインリーダー自身が組織の未来を設計することが目的です。

実装のポイント: デザイン組織のリーダー(Head of Design、Design Director、VP of Designなど)には、採用計画の立案、採用プロセスの設計、最終面接の意思決定、育成プログラムの構築、評価制度の設計などの権限を付与します。リーダーは、事業計画に基づいて「今後1年間で何人のデザイナーが必要か」「どのような専門性のデザイナーを採用すべきか」を計画し、経営層に提案します。また、採用基準、面接プロセス、オンボーディングプログラムを設計し、デザイン組織の文化と価値観を反映させます。育成面では、1on1ミーティング、デザインレビュー会議、社内勉強会、外部カンファレンス参加支援などを通じて、デザイナーのスキル向上とキャリア成長を支援します。

注意点: リーダーに権限を与えるだけでなく、それに伴う責任も明確にする必要があります。採用がうまくいかない、育成が機能しない、といった問題の責任を明確にし、改善のPDCAを回す仕組みが重要です。また、リーダーが独断で組織を運営すると、他部門との連携が悪化するリスクがあります。定期的に経営層、エンジニアリング組織、プロダクト組織と連携し、全体最適を図ることが重要です。

DESIGN-5-3プラクティスPractice

全社のクリエイティブや顧客体験デザインを担う専門知識を持った経営幹部がいるか。There is a senior management team with the expertise to take charge of company-wide creatives and customer experience design.

目的: CDO(Chief Design Officer)など、デザインの価値を経営レベルで理解し推進できる人材が重要です。経営層にデザインの視点がなければ、デザインは常に二次的な優先度に置かれてしまいます。

実装のポイント: CDOまたはVP of Designといったポジションを経営幹部レベルに設置します。この役職は、単なるデザイン組織の管理者ではなく、事業戦略、マーケティング戦略、プロダクト戦略にデザインの視点を組み込む役割を担います。経営会議に参加し、新規事業の検討、既存事業の改善、ブランド戦略の策定など、重要な意思決定にデザインの観点から貢献します。また、全社的なデザイン文化の醸成、デザインシステムのガバナンス、顧客体験戦略の統括を担います。特に、複数のプロダクトラインを持つ企業では、プロダクト間でのデザイン一貫性を保つために、全社的なデザインリーダーシップが不可欠です。

注意点: CDOポジションを設置しても、実質的な権限がなければ意味がありません。予算執行権、組織編成権、意思決定への参画権など、実質的な権限を伴うポジションにする必要があります。また、CDOがデザイナー出身である場合、ビジネス理解が不足していると経営層との議論が噛み合わないことがあります。デザインの専門性とビジネス理解の両方を持った人材を選定するか、ビジネス理解を深める研修や経営層との対話機会を増やすことが重要です。

DESIGN-5-4プラクティスPractice

サービスデザイナー、UI/UXデザイナー、グラフィックデザイナーなどの明確な役割と専門性を認識した上で、ジョブディスクリプションが定義されているか。Are job descriptions defined with a clear understanding of the distinct roles and expertise of service designers, UI/UX designers, graphic designers, etc.?

目的: デザイナーの役割を明確化することで、適切な人材配置とキャリア開発が可能になります。「デザイナー」という一括りではなく、専門性に応じた役割定義が重要です。

実装のポイント: デザイナーの役割を、サービスデザイナー(顧客体験全体の設計)、UI/UXデザイナー(インターフェース設計とユーザビリティ)、ビジュアルデザイナー(グラフィック、ブランディング)、プロダクトデザイナー(プロダクト全体の設計と戦略)、リサーチャー(ユーザー調査と分析)などに分類し、それぞれのジョブディスクリプションを作成します。各役割に対して、期待される成果、必要なスキル、キャリアパス、評価基準を明確にします。たとえば、UI/UXデザイナーのジュニアレベルでは「既存デザインシステムを使った画面設計」、ミドルレベルでは「新しいユーザーフローの設計とユーザビリティテスト」、シニアレベルでは「プロダクト戦略への貢献とジュニアデザイナーのメンタリング」といった具合にレベル分けします。

注意点: 役割を細分化しすぎると、組織が硬直化し、柔軟な協働が阻害されます。特に小規模なデザイン組織では、一人のデザイナーが複数の役割を兼務することも多く、役割定義が現実と乖離しないよう注意が必要です。また、ジョブディスクリプションを一度作成して終わりにせず、組織の成長やプロダクトの変化に応じて定期的に見直すことが重要です。

DESIGN-5-5プラクティスPractice

事業責任者は顧客体験やデザイン思考のトレーニングを受けているか。The business managers are trained in customer experience and design thinking.

目的: 事業責任者がデザイン思考を理解することで、デザイン組織との協働が円滑になります。デザインの価値を理解しない事業責任者は、デザイナーを「見た目を整える人」としか認識せず、戦略的な議論に参加させません。

実装のポイント: 事業責任者(プロダクトマネージャー、事業部長、CEOなど)に対して、デザイン思考のワークショップやトレーニングを提供します。IDEOやスタンフォード大学のd.schoolが提唱するデザイン思考のプロセス(共感、問題定義、アイデア創出、プロトタイピング、テスト)を体験的に学ぶことで、デザインがどのように価値を生み出すかを理解できます。また、定期的にデザインレビュー会議に事業責任者を招き、デザイナーの思考プロセスや意思決定の背景を共有します。さらに、事業責任者自身がユーザーインタビューやユーザビリティテストに参加することで、顧客の生の声を聞き、デザインの重要性を実感できます。

注意点: 一度のトレーニングだけでは、デザイン思考は身につきません。継続的な学習と実践の機会を提供することが重要です。また、トレーニングが形式的なものに終わらないよう、実際の事業課題を題材にしたワークショップを実施し、学んだことを即座に実務に活かせるようにします。さらに、トップダウンで「デザイン思考を学べ」と指示するのではなく、事業責任者自身が価値を感じて自発的に学ぶ環境を作ることが理想的です。

DESIGN-5-6アンチパターンAnti-pattern

デザイナーがプロジェクトを横断して派遣され、兼務が多くなったり関わる期間が短くなるため、各プロダクトにおけるユーザーへの共感や事業価値の理解が弱くなっている。Designers' empathy for users and understanding the business value in each product is not sufficient since they are dispatched across projects and often engage in multiple projects simultaneously within a short period.

目的: このアンチパターンは、デザイナーの分散配置がプロダクトへの深い理解と継続的な改善を阻害することを指摘しています。短期的な派遣では、デザインの質が低下します。

実装のポイント: デザイナーを可能な限り特定のプロダクトやチームに専任で配置します。少なくとも半年から1年の期間、同じプロダクトに関わることで、ユーザーへの深い共感、事業価値の理解、チームとの信頼関係が育ちます。小規模な組織でデザイナーの数が限られている場合でも、兼務する場合は2つまでとし、それぞれに十分な時間を確保します。また、デザイナーの稼働状況を可視化し、過度な兼務や短期的な派遣が発生していないかを定期的にチェックします。プロジェクトベースでデザイナーをアサインする場合でも、最低限の継続期間を設定し、「デザインして終わり」ではなく、リリース後の効果測定や改善まで関与させることが重要です。

注意点: 専任配置には、デザイナーの数が十分に必要です。デザイナーの採用が追いつかない場合、どうしても兼務や短期派遣が発生します。この場合、まずデザイン組織の拡大を経営課題として認識し、採用に投資することが先決です。また、専任配置によりデザイナーが孤立するリスクもあります。定期的にデザイナー同士の交流の場(デザインレビュー会議、デザイナーミートアップなど)を設け、知識共有と相互支援を促進します。

DESIGN-5-7アンチパターンAnti-pattern

個別のプロダクトや事業チームごとに専任で配置されるのみとなっており、デザイナーとしてのキャリアやスキル向上のサポートが乏しい。Designers are dedicated to only individual products or by business teams, so little support is provided to develop designers' careers and skills.

目的: このアンチパターンは、デザイナーの孤立がスキル向上の機会を奪い、組織全体のデザイン力を低下させることを指摘しています。専任配置と組織的なサポートのバランスが重要です。

実装のポイント: マトリクス組織構造を採用し、デザイナーは機能的にデザイン組織に所属しながら、実務的にはプロダクトチームに配置されるようにします。これにより、デザイン組織のリーダーがデザイナーのキャリア開発、スキル評価、育成計画を担当し、プロダクトチームではデザイナーが日々の業務に専念できます。定期的にデザイン組織全体でのミーティングを開催し、各デザイナーが取り組んでいる課題や学びを共有します。また、デザインレビュー会議では、他のデザイナーからフィードバックを受ける機会を設け、相互学習を促進します。さらに、外部カンファレンスへの参加支援、オンラインコースの受講費用補助、書籍購入補助など、スキル向上のための投資を組織として行います。

注意点: マトリクス組織は、報告ラインが複雑になり、デザイナーが「誰の指示に従うべきか」混乱するリスクがあります。デザイン組織のリーダーとプロダクトマネージャーの間で、役割分担と期待値を明確にすることが重要です。また、組織的なサポートが形式的なものに終わらないよう、デザイナー自身のニーズをヒアリングし、実際に役立つサポートを提供することが大切です。

DESIGN-5-8アンチパターンAnti-pattern

デザイナーがプロジェクトの意思決定に関われなかったり、デザイナーに情報を伝えるのが遅いため、カスタマージャーニー全体に対する価値が発揮しづらくなっている。Designers have difficulty demonstrating their values to the entire customer journey since they are not involved in the project decision-making process or are slow to get information.

目的: このアンチパターンは、デザイナーを意思決定プロセスから排除することが顧客体験の質を大きく損なうことを指摘しています。デザイナーは実装の最終段階ではなく、企画の初期段階から関与すべきです。

実装のポイント: プロジェクトの企画段階、つまり「何を作るか」を決定する段階からデザイナーを参加させます。プロダクトマネージャー、エンジニア、デザイナーがトリオとして協働し、ユーザーの課題、技術的な実現可能性、デザインの観点から総合的に判断します。週次のプロダクト会議、スプリント計画会議、ロードマップ策定会議など、重要な意思決定の場にデザイナーを必ず招きます。また、情報共有のプロセスを改善し、SlackやNotionなどのツールでデザイナーが常に最新の情報にアクセスできるようにします。「デザイナーは必要になったら呼ぶ」のではなく、「デザイナーは常にチームの一員である」という意識を組織全体で共有します。

注意点: デザイナーをすべての会議に招くと、会議過多で本来の業務に集中できなくなるリスクがあります。デザイナーの参加が本当に価値を生む会議と、情報共有だけで済む会議を区別し、効率的に運用することが重要です。また、デザイナーが意思決定に参加するには、ビジネスの理解も必要です。デザイナーに対して事業戦略、KPI、競合状況などの情報を積極的に共有し、意思決定に必要な文脈を理解できるよう支援します。

参考資料・ツール

参考書籍・記事

ピーター・メルホルツ、クリスティン・スキナー著『デザイン組織のつくりかた - デザイン思考を駆動させるインハウスチームの構築&運用ガイド』(BNN、2017年)は、デザイン組織の構築と運営の実践書です。デザインを組織文化として根付かせるための戦略が詳述されており、実務的で具体的な施策が数多く紹介されています。

ジョン・マエダ著『シンプリシティの法則(The Laws of Simplicity)』は、RISD(ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン)学長やAutomattic社のグローバルComputational Design and Inclusion担当を務めた著者による、シンプルさの本質とデザインの力を探求する名著です。

『Design in Tech Report』(John Maeda著)は、毎年発行されるレポートで、デザインの価値、デザイン組織のトレンド、デザイナーの採用市場などが詳細に分析されています。無料で公開されており、最新のデザイン業界動向を把握できます。

Mercari Design Blog: メルカリのデザイン組織の取り組み、デザインプロセス、Design Systemの運用について発信されています。(https://note.com/mercari_design)

関連するフレームワーク

デザイン成熟度モデル(Design Maturity Model)は、組織のデザイン成熟度を段階的に評価するフレームワークです。レベル1(デザインは装飾)からレベル5(デザインは戦略)まで、自社の現在地を把握し、次のステップを計画できます。

デザインスプリント(Design Sprint)は、Googleが開発した5日間の問題解決プロセスです。デザイナー、エンジニア、プロダクトマネージャーが協働し、短期間でプロトタイプを作成・検証します。デザイナーの価値を組織に示す効果的な手法です。

OKR(Objectives and Key Results)は、デザイン組織の目標設定と評価にも活用できます。デザインの価値を定量的・定性的に測定し、組織としての成果を可視化します。

推奨ツール

Notionは、デザイン組織のドキュメント管理、プロジェクト管理、ナレッジベース構築に活用できます。デザインガイドライン、ペルソナ、リサーチ結果などを一元管理できます。

Figmaは、デザインツールとしてだけでなく、デザイナー同士のコラボレーションとフィードバックのプラットフォームとしても機能します。チーム全体でデザイン資産を共有し、バージョン管理できます。

Slackは、デザイナー専用チャンネルを作成し、日常的なコミュニケーション、デザインレビュー、知識共有の場として活用できます。他部門との連携チャンネルも設けることで、情報の透明性を高めます。

カオナビは、日本企業向けのタレントマネジメントシステムで、メンバーの目標設定、1on1記録、フィードバック管理、評価プロセスを一元管理できます。日本語UIで使いやすく、デザイン組織のマネジメントを効率化します。

デザイン組織のクライテリア

DX Criteria v202506 · 8項目8 criteria

このカテゴリから診断をはじめる →Start the assessment here →