THE CRITERIA · v202506

組織を知る、328の問い。

気になるテーマやカテゴリから、基準とその背景を読み進めてください。

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問いの読み方
テーマ(5個)×カテゴリー(各8個)×チェックリスト(各8項目)。例としてチームの8カテゴリと、チーム構成と権限委譲の8つの問い(メトリクスの計測・学習と改善・プラクティスと習慣・アンチパターン)。

各カテゴリは8つの問いで構成されます。アンチパターンは手放したい慣習を確かめる問いで、「いいえ」が望ましい状態です。採点は逆転します。

Design

デザイン思考

顧客の理解から、価値をつくる。

8カテゴリ / 64項目テーマ解説を読む
DESIGN-1 / デザイン思考

ペルソナの設定

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ペルソナの設定はなぜ重要か?

簡単に言うと、ペルソナの設定は「商品企画会議で顧客代表が一緒に座っている」ようなものです。新しい製品やサービスを設計する際、会議室の中で自分たちの思い込みだけで議論していると、どうしても作り手の都合が優先されてしまいます。しかし、実在するかのような詳細な顧客像を会議の席に「招いて」おけば、議論の中で「でも、この田中さん(ペルソナ)はこういう状況だから、この機能は使わないんじゃないか」といった具体的な問いかけができるようになります。抽象的な「ユーザー」ではなく、具体的な「誰か」を想定することで、チーム全員が同じ方向を向いて議論できるようになるわけです。

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DESIGN-2 / デザイン思考

顧客体験

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顧客体験はなぜ重要か?

簡単に言うと、顧客体験の管理は「レストランの顧客満足度を高めるための仕組み」のようなものです。優れたレストランは、料理の味だけでなく、予約のしやすさ、待ち時間、店員の接客態度、料理の提供速度、店内の雰囲気、会計のスムーズさ、そして帰り際の見送りまで、すべての接点で顧客の満足度を高める努力をしています。一つひとつの接点で顧客がどう感じたかを測定し、改善を続けることで、リピーターが増え、口コミで新規顧客が増えていきます。デジタルサービスにおける顧客体験も全く同じで、問い合わせへの対応速度、ヘルプページの充実度、サポート担当者の対応品質など、すべての接点が顧客満足度に影響を与えます。

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DESIGN-2-1メトリクスの計測

顧客に対してNPS(ネットプロモータースコア)や満足度を継続的に測定しているか。

DESIGN-2-2学習と改善

顧客による問い合わせから返信までのリードタイム、問い合わせおよび回答への満足度について定量計測を行い、目標管理をしているか。

DESIGN-2-3プラクティス

構造化されたヘルプページがあり、ヘルプに書かれた内容を改善するために顧客がフィードバックできるか。

DESIGN-2-4プラクティス

CRM(顧客管理システム)、SFA(営業支援システム)を導入するなどして、デジタルデータとしてお問い合わせや行動履歴を把握できているか。

DESIGN-2-5プラクティス

顧客が価値を感じるまでの感情的な動きやチャネルを分析したカスタマージャーニーマップを作成しているか。

DESIGN-2-6アンチパターン

カスタマーサポートなど顧客接点となるスタッフから、課題の吸い上げができていない。または、ごく一部の顧客の課題しか吸い上げられていない。

DESIGN-2-7アンチパターン

電話やメールでの対応に対して、柔軟な対応をしすぎてしまい自動化の阻害要因になっている。

DESIGN-2-8アンチパターン

顧客体験の向上のための担当エンジニアリングチームが存在せず、システム化や自動化による改善ができていない。

DESIGN-3 / デザイン思考

ユーザーインタビュー

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ユーザーインタビューはなぜ重要か?

簡単に言うと、ユーザーインタビューは「新商品開発の前に試食会を開く」ようなものです。飲食業界では、新しいメニューを正式に発表する前に、試食会で顧客の反応を見ます。そこで得られるのは、単なる「美味しい」「美味しくない」という評価だけではなく、「この味付けだと塩辛く感じる」「この食感が気になる」「こういう場面で食べたい」といった具体的なフィードバックです。デジタルプロダクトの開発でも同じで、実際のユーザーと対話することで、アンケートやアクセスログだけでは見えてこない、ユーザーの隠れたニーズや感情、意思決定のプロセスが明らかになります。数字には現れない「なぜそう行動するのか」を理解することが、真に価値のある製品を生み出す出発点となります。

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DESIGN-3-1メトリクスの計測

ユーザーインタビューによって見つけた課題に対してどの機能がリリースされているのかが記録されており、その効果も測定されている。

DESIGN-3-2学習と改善

直近、半年以内になんらかのユーザーインタビューを行っているか。

DESIGN-3-3プラクティス

ユーザーインタビューの実施のための稟議やフローは軽量で、一ヶ月以内に行うことができるか。

DESIGN-3-4プラクティス

インタビュー結果のインサイトをまとめて、共感マップなどを作成しているか。

DESIGN-3-5プラクティス

インタビュー参加者が話しやすい雰囲気作りのための工夫がインタビュースクリプトに組み込まれている。

DESIGN-3-6アンチパターン

ユーザーインタビューに関して訓練を受けていないスタッフが実施しており、仮説に対して誘導的すぎたり、クローズドクエッションが多くなったりしている。

DESIGN-3-7アンチパターン

インタビュー結果が具体的な次の一手(異なる仮説の構築や、具体的な機能反映)につながらずに実施したまま放置されている。

DESIGN-3-8アンチパターン

仮説をもたずにインタビューを設計しており、インタビューイの要望をそのまま拾い上げたり、サンプルの少ないインタビュー結果をそのままセグメント全体問題としてとらえてしまっている。

DESIGN-4 / デザイン思考

デザインシステムの管理

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デザインシステムの管理はなぜ重要か?

簡単に言うと、デザインシステムは「料理の共有レシピ集」のようなものです。家族みんなが同じ料理を作るとき、それぞれが勝手に作り方を考えていたら、味もボリュームもバラバラになります。しかし、共有レシピ集があれば、誰が作っても同じ味・同じ仕上がりになります。さらに、「このレシピを使って、あとは好みでアレンジしてよい」というルールがあれば、一貫性を保ちながら柔軟に応用できます。デジタルプロダクトのデザインも同じで、ボタン、フォーム、ナビゲーション、カードといった再利用可能なUIコンポーネントを標準化し、カタログ化することで、デザイナーとエンジニアは毎回ゼロから作る必要がなくなり、スピードと品質を両立できます。

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DESIGN-4-1メトリクスの計測

デザインシステムの整備されたUIライブラリを用いて、機能の仮説検証が半数以上できている。

DESIGN-4-2学習と改善

利用頻度の高いコンポーネント等をまとめたデザインシステムを構築し、継続的に棚卸するなど陳腐化することなく改善できているか。

DESIGN-4-3プラクティス

デザインシステムの目的と具体的な設計情報を含めたドキュメントと、動作するUIライブラリの両方が整備されているか。

DESIGN-4-4プラクティス

オンラインコラボレーションに対応しているUIデザインツールを、プロダクト組織で共通して利用しているか。

DESIGN-4-5プラクティス

プロダクト特有のUIコンセプトが一貫した情報設計に基づいており、ドキュメント化されているか。

DESIGN-4-6アンチパターン

デザインシステムにUXライティングについてのガイドラインが存在しない。

DESIGN-4-7アンチパターン

デザインシステムが存在するのにもかかわらず、関係者のアドホックな意思決定によってデザインの一貫性が損なわれている。

DESIGN-4-8アンチパターン

デザインシステムにマイクロインタラクション(ユーザーの行動に応じた細やかなアニメーションや音、振動、トランジションといった動きのあるUI要素)が組み込まれていない。

DESIGN-5 / デザイン思考

デザイン組織

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デザイン組織はなぜ重要か?

簡単に言うと、デザイン組織の構築は「レストランに専任シェフを置く」ようなものです。レストランを経営する際、外部のケータリング業者に料理を頼むこともできますが、それでは店の個性や一貫した味を作り出すことは困難です。専任のシェフがいれば、日々顧客の反応を見ながらメニューを改善し、季節や流行に応じて新しい料理を開発し、店全体のクオリティをコントロールできます。デザイン組織も同じで、外部のデザイン会社に依存するのではなく、社内に専任のデザイナーを配置することで、プロダクトに対する深い理解と継続的な改善が可能になります。デザイナーが事業の一部として溶け込み、エンジニアやプロダクトマネージャーと日常的に協働することで、本当に価値のあるデザインが生まれます。

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DESIGN-5-1メトリクスの計測

事業に必要なデザイン業務の過半数を内製化できているか。

DESIGN-5-2学習と改善

デザイン組織のリーダーは、自社戦略に必要なデザイナーの人事戦略を自ら立案しており、採用・育成についての権限と責任を負っているか。

DESIGN-5-3プラクティス

全社のクリエイティブや顧客体験デザインを担う専門知識を持った経営幹部がいるか。

DESIGN-5-4プラクティス

サービスデザイナー、UI/UXデザイナー、グラフィックデザイナーなどの明確な役割と専門性を認識した上で、ジョブディスクリプションが定義されているか。

DESIGN-5-5プラクティス

事業責任者は顧客体験やデザイン思考のトレーニングを受けているか。

DESIGN-5-6アンチパターン

デザイナーがプロジェクトを横断して派遣され、兼務が多くなったり関わる期間が短くなるため、各プロダクトにおけるユーザーへの共感や事業価値の理解が弱くなっている。

DESIGN-5-7アンチパターン

個別のプロダクトや事業チームごとに専任で配置されるのみとなっており、デザイナーとしてのキャリアやスキル向上のサポートが乏しい。

DESIGN-5-8アンチパターン

デザイナーがプロジェクトの意思決定に関われなかったり、デザイナーに情報を伝えるのが遅いため、カスタマージャーニー全体に対する価値が発揮しづらくなっている。

DESIGN-6 / デザイン思考

プロトタイピング

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プロトタイピングはなぜ重要か?

簡単に言うと、プロトタイピングは「建築における模型づくり」のようなものです。建築家は、数千万円から数億円かけて実際に建物を建てる前に、まず紙や木材で模型を作り、クライアントに見せて反応を確かめます。模型の段階であれば、間取りの変更や窓の位置の修正は簡単にできますが、実際に建ててしまってからでは膨大なコストがかかります。デジタルプロダクトも全く同じで、完成品を作ってからユーザーに見せるのではなく、簡易的なプロトタイプを作って早期に評価することで、失敗のコストを最小化し、成功の確率を最大化できます。特に、市場の不確実性が高い現在では、「完成させてから評価する」のではなく、「早く失敗して早く学ぶ」というサイクルが競争力の源泉となります。

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DESIGN-7 / デザイン思考

ユーザビリティテスト

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ユーザビリティテストはなぜ重要か?

簡単に言うと、ユーザビリティテストは「新しい家電製品のモニター調査」のようなものです。家電メーカーは、新しい製品を発売する前に、一般の消費者に実際に使ってもらい、「ボタンの位置が分かりにくい」「この操作が直感的でない」「説明書を読まないと使えない」といった問題を発見します。開発者や設計者は製品に詳しいため、問題に気づきにくいのですが、初めて使う人の視点で評価することで、隠れた使いにくさが明らかになります。デジタルプロダクトも同じで、開発チームは製品の隅々まで理解していますが、実際のユーザーはそうではありません。ユーザビリティテストを通じて、実際のユーザーがどこでつまずき、どこで迷い、どこでフラストレーションを感じるかを観察し、改善することで、顧客満足度を大きく向上させることができます。

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DESIGN-8 / デザイン思考

プロダクトマネジメント

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プロダクトマネジメントはなぜ重要か?

簡単に言うと、プロダクトマネジメントは「新製品開発プロジェクトのリーダーの役割」のようなものです。新製品を立ち上げるとき、デザイン担当、技術担当、マーケティング担当、営業担当など、様々な専門家が関わります。各専門家はそれぞれの領域でプロフェッショナルですが、「誰のためにどんな価値を届けるのか」「何を優先して作るのか」「市場にいつ出すのか」という意思決定をするのがプロジェクトリーダーです。リーダーは各専門家の意見をまとめるだけでなく、顧客視点とビジネス視点を両立させながら、プロダクトが成功するための方向性を定めます。プロダクトマネージャーも同じで、エンジニア、デザイナー、マーケター、営業といった専門家をまとめ、プロダクトのビジョンを示し、顧客価値とビジネス価値を両立させる役割を担います。

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DESIGN-8-1メトリクスの計測

権限を持ったプロダクトマネージャという役職が存在し、1サービスに専任の1名以上が任命されているか。

DESIGN-8-2学習と改善

プロダクトチームやプロダクトの意思決定に関わる人に向けて、プロダクトマネジメントのスキルについての継続的な学習機会を提供できているか。

DESIGN-8-3プラクティス

プロダクトへの要求をユーザーストーリーなど開発チームと合意したバックログアイテムの単位で明文化し、その優先順位をつけることができているか。

DESIGN-8-4プラクティス

事業フェーズに応じて、プロダクトマーケティングや詳細な要求分析、UX評価など適切な分業体制を引くことができているか。

DESIGN-8-5プラクティス

プロダクトの仮説をバリュープロポジションキャンバスや、仮説キャンバスなどで明文化した上で機能定義を行っているか。

DESIGN-8-6アンチパターン

プロダクトマネージャがソフトウェアプロダクト開発やデザインに関する知見や関心が薄く、チームの関係性が悪化している。

DESIGN-8-7アンチパターン

プロダクトマネージャとビジネスプロセスやマーケット部門との関係性が薄く、それ起因の実運用によるトラブルが、ほぼ毎回発生している。

DESIGN-8-8アンチパターン

プロダクトマネージャという役割に予算執行の権限と責任がない。